はじめに
こんにちは、助産師のちゅう子です!今日は「分娩監視装置」についてお伝えします。
妊婦健診や出産のとき、「お腹にベルトみたいなものを巻いた」という経験がある方も多いと思います。それが「分娩監視装置」です。
その検査で何を見ているのか、今回はその役割や仕組みについて解説していきます。
分娩監視装置とは

上記写真のように、お母さんのお腹に2本のベルトでセンサーを固定して測定します。写真のセンサーにはコードがついていますが、コードレスな装置もあります。その場合、装着時の動きの制限が緩和されます。
- 上のベルト:陣痛(子宮の収縮)を測るセンサー
- 下のベルト:赤ちゃんの心拍を測るセンサー
これらを使って「子宮収縮の強さや間隔」と「赤ちゃんの心拍の変化」をリアルタイムで記録します。この検査に痛みはありません。
何を見ているのか
分娩監視装置を装着する時期によって目的が少し異なります。以下の時期について説明します。
- 妊娠中(出産までまだ日数がある場合)
- 出産のとき
妊娠中
これは妊婦健診のときに検査することが多いです(妊娠週数が進んできてから行われます)。
目的は「妊娠経過が順調か・安全に出産の時期を迎えられるか」の確認です。具体的には以下のような観点で検査しています。
- 出産前に子宮収縮が増えて切迫早産になっていないか
- 赤ちゃんが元気に胎内生活を送ることができているか
お腹からのエコーと一緒にこの検査も行うことで、赤ちゃんの様子を詳しく確認しています。
出産のとき
分娩が近くなったときに検査を行います。
目的は「安全に分娩が進んでいるか」の確認です。「こういうときは装着が必要」といったことが産婦人科のガイドラインで詳しく決まっていますが、簡単に説明すると以下のような観点で検査しています。
- 分娩が順調に進むような陣痛がきているか
- 赤ちゃんが具合悪くなっていないか
分娩はお母さんだけではなく、赤ちゃんにとっても大変なイベントです。赤ちゃんが疲れてきている様子がないかを確認しながら分娩の進行を見守ります。
状況によっては、帝王切開をして早く分娩が終了する方法を選択することもあります。

上記写真のように、検査結果は紙に印刷されて記録を確認することができます。しかし、それでは機械の近くにいないと結果を把握できないですよね。そのため、用紙と同じ記録内容をナースステーションなど、別の場所に設置されたモニターでも確認できるようになっている施設が多いです。

安全なお産になるように、複数の医師や助産師で状況を確認しているんだよ!
ちょっと気になる「音」について
検査中に「トットットット…」という音が聞こえますが、これは赤ちゃんの心拍の音です。赤ちゃんの1分間の心拍数は110~160回ほどあり、大人の2倍くらい早いのが正常です。
少し心拍が速くなったり遅くなったりするのは自然な変化です。私たちも運動すると一時的に心拍数が上がりますよね。同じように、赤ちゃんもお腹の中で動いたら心拍数が上がります。
このように適度に心拍の変動があると元気な証拠です。

モニターの波形を見ることで、赤ちゃんの様子をある程度予測できるのです
モニターの波線について

機械から出てくる用紙には、2本の波線が表示されます。
- 上の波線:赤ちゃんの心拍数
- 下の波線:子宮収縮の強さ・間隔
このモニターからは「赤ちゃんの心拍数は1分間に120回程度、子宮収縮は4分おき」であることが読み取れます。専門的な内容は医療者が確認しますが、様子を聞いてみるとわかりやすく教えてくれると思いますよ!

産科に関わる医療者は、結果を正しく読み取れるように日々勉強しております…
ドップラーについて

分娩監視装置を使わずに赤ちゃんの心音を確認する場合、上記写真のような「ドップラー」という小型の機械を使用することがあります(助産院で分娩する場合はこちらを使用するかもしれません)。
ドップラーは記録を残すことができないのですが、一時的に赤ちゃんの様子を確認したい場合はこの機械を使用する場合もあります。

小型で携帯しやすいため、場所を選ばずに確認できるのがメリットです
おわりに
この記事を読むことで、分娩監視装置を何のために装着して何を見ているのか、少し理解が深まっていたら嬉しいです!
このように、お母さん・赤ちゃんの様子を視覚的に、継続して確認することができます。もし装着する機会がありましたら、記録用紙を見せてもらって今回の結果を聞いてみてくださいね。
Instagramに分娩監視装置の紹介動画を投稿しているので、是非こちらもご覧ください!

「検査したけど何だかよくわからなかった」で終わるのはもったいないよね


