はじめに
こんにちは、助産師のちゅう子です。
まだ暑いですが、もう9月に入りましたね。10月になるとインフルエンザワクチンの接種が段々と始まっていきます。
妊娠中は体や心の変化が大きく、ちょっとした体調の変化にも敏感になりますよね。
「インフルエンザにかかったらどうしよう?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種することの有効性についてまとめました。
秋・冬の時期に妊娠~出産の時期を過ごす方は参考にしてください!
インフルエンザにかかるとどうなるの?
妊娠中は免疫力が弱まりやすいため、インフルエンザにかかると妊娠していない時よりも重症化するリスクが高いといわれています。
高熱や強い症状が出ると、お母さん自身が辛いのはもちろん、お母さんが体調を崩すことで赤ちゃんにも影響が及ぶ可能性があります。そのため、予防がとても大切になります。

インフルエンザワクチンの一般的な効果
インフルエンザワクチンを接種したことはあるでしょうか?
13歳以上は原則1回、二の腕あたりにワクチンを注射をします。
ワクチンは完全に感染を防ぐものではありませんが、以下の効果があります。
- 発症のリスクを下げる
- 重症化を防ぐ
接種後は約5か月ほど効果が持続します。流行時期を考慮すると、11月末までにワクチン接種することが推奨されています。

身近な家族にワクチン接種をしてもらうことも大切ですね!
妊娠中の接種は安全?
「お腹の赤ちゃんに影響がないの?」と心配になるかもしれません。
しかし、多くの研究で、妊娠中のインフルエンザワクチンは安全であることが示されています。
インフルエンザのワクチンは不活化ワクチン(生きたウイルスを使っていないワクチン)に該当します。
これは妊婦さんに使用しても問題がなく、胎児への有害な影響は報告されていません。
ちなみに2024年から経鼻弱毒生ワクチン(対象年齢が2~19歳未満)が開始されましたが、これは生ワクチン(生きたウイルスを使用するワクチン)に該当するため妊婦さんは禁忌になっています。

赤ちゃんを守る効果があります
妊娠中や授乳中にお母さんがワクチンを接種することで、その効果を赤ちゃんに届けることができますよ!次の項目でそれぞれ説明しますね。

お母さんは色々な方法で赤ちゃんを守ることができるんですね
妊娠中は胎盤を通して抗体が移行する
お母さんがワクチンを接種すると、身体にできた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに届くことがわかっています。
赤ちゃんは生後6か月からワクチンが打てます。ワクチンが打てない時期は、お母さんからもらった抗体によってインフルエンザから守られます。
赤ちゃんも月齢が浅いほど感染症にかかると重症化するリスクがあります。お母さんからもらった抗体が赤ちゃんを守ってくれると、とても安心ですよね。
授乳中は母乳を通して抗体が移行する
授乳中のお母さんにもメリットがあります!出産後は、身体にできた抗体を母乳を通じて赤ちゃんに届けることができます。
前述のように、生後6か月未満の赤ちゃんはワクチンを打てません。そのため、6か月未満でインフルエンザの流行時期を迎える赤ちゃんが一定数いることになります。
母乳には免疫を高める効果のある成分がたくさん入っています。それに加えてインフルエンザの予防効果も母乳を飲むことで得られます。
母乳を与えられる状況の方は、ワクチンを接種して母乳育児を行うと良いですね!

ちなみにタミフルは飲んでも大丈夫?
予防の話をしていましたが「インフルエンザになってしまった…」ということも考えられますよね。その場合、タミフルなどの抗インフルエンザ薬が処方されることが多いですが、妊婦さんや授乳中のお母さんは内服できるのでしょうか。
妊娠中
妊婦さんはタミフルを内服することができます。タミフルの成分は胎盤を通過しないことがわかっています。
前述のとおり、妊婦さんは重症化しやすいため、インフルエンザの場合は早めに病院に行くようにしましょう。
授乳中
タミフルの成分がわずかに母乳に移行することがわかっています。
そのためタミフルの添付文書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること」という記載があります。
しかし、移行はごく少量であるため内服しながら授乳することは問題ないとされています。
国立成育医療研究センターが公表している「授乳期でも安全に使用できると考えられる薬」の一覧の中にもタミフルは含まれています(タミフルの成分名はオセルタミビルです)。
以上より、内服中に授乳をやめる必要はないでしょう。しかし、添付文書に記載があるため、処方される病院によっては中断するよう言われるかもしれません。

上記サイトは信用性が高い情報が載っています、自分で調べるのも大事ですね

よくある疑問
Q. 副反応はありますか?
A. 腕の痛みや軽い発熱などが一時的に起こることがありますが、数日で治まることがほとんどです。重い副反応はまれです。
Q. どの時期に打つのがいいですか?
A. 妊娠のどの時期でも接種は可能とされています。インフルエンザが流行する前に接種しておくのがおすすめです。
Q. 赤ちゃんに影響はありませんか?
A. 先天性異常のリスクが高まることはなく、むしろ抗体が移行することで赤ちゃんを守る効果があります。
Q. 接種を控えたほうがいい人は?
A. 鶏卵に強いアレルギーがある方、発熱している方、過去にワクチン接種で重いアレルギー反応が出た方は接種を控える場合があります。必ず主治医に相談してください。
まとめ
妊娠中のインフルエンザワクチン接種は、お母さん自身を守るだけでなく、生まれてくる赤ちゃんを守る力にもなります。安心して出産を迎えるためのひとつのサポートとして、接種を検討してみてください!
ワクチン接種に関して疑問・質問がある場合は、かかりつけの病院で尋ねてみると良いでしょう。
総合病院などの大きい病院であればワクチン接種を行っている場合があります。妊婦健診日に合わせて予約が取れるかもしれませんよ。
そして、ワクチンも大事ですが、基本的なうがい・手洗いなどの感染症予防が最も大事です。ご自身の体調を整えることを継続して、お母さんも赤ちゃんもご家族も元気に過ごしてくださいね。

参考文献
- ペリネイタルケア : 2024 年 5月号
- ペリネイタルケア : 2025年 5月号


