はじめに
こんにちは、助産師のちゅう子です。今日は助産師向けの雑誌に紹介されていた「分娩の進行」についての記事について記載しようと思います。自分の勉強のためにも!
分娩進行を予測するのは難しいです。予想以上に順調に進んでいくときもあれば、進まずに辛い時間を過ごすこともあったりします。
「あとどのくらいで生まれますか?」と産婦さんや家族に聞かれることがありますが、いつも回答が難しいです。。。

まだ数時間はかかりそうなときは、「〇〇時」ではなく「夕方くらいかな~?」とふわっと伝えてます(苦笑)
分娩は「概ねこのような経過を辿る」という目安があります。助産師は順調に進んでいるのかを常に確認し、進行が遅れている場合は早めに対応策を考えながら産婦さんに関わっています。
出産予定がある方は「自分のお産もこんな風に進むのかな?」と少しイメージできると思いますよ!

分娩は3つの「時期」に分かれて進む
分娩は大きく 「第1期」「第2期」「第3期」 の3つに分けられます。
- 第1期:子宮口が開いていく時期
- 第2期:いきみ始めて赤ちゃんが生まれる時期
- 第3期:胎盤が出る時期
この中で一番長いのが第1期です。この第1期にかかる時間は人によって様々です。
今日はこの第1期について詳しく解説していきますね!
子宮口が開くとは?
お産のときに必ず聞く言葉「子宮口(しきゅうこう)」。これは 赤ちゃんが通る出口のことです。
妊娠中、赤ちゃんが外に出てしまわないように子宮口はしっかり閉じてカチッと固くなっています。
お産が近づいてくると、子宮口が少しずつ柔らかく・開いてくるようになります。
そのため、出産予定日が近づくにつれて、陣痛が来る前から子宮口が数㎝開いている妊婦さんが増えていきます。

予定日が近くなってからの健診では「内診」で子宮口の様子の確認があります
本格的に子宮口が開くのは陣痛がきてからになります。陣痛によって子宮がギューッと収縮するようになると、赤ちゃんの頭が下がってきて、子宮口に圧がかかります。すると…
- 柔らかくなる(熟化)
- 薄くなる(展退)
- 丸く広がる(開大)
という変化が起きて、赤ちゃんの通り道の準備が進んでいきます。

分娩の第1期について
第1期とは陣痛の始まりから子宮口が10㎝開くまでを指します。
- 陣痛の始まり:10分以内の規則的な間隔で、痛みを伴う子宮収縮があること
- 子宮口が10㎝開く:「全開大(ぜんかいだい)」とも言います。10㎝開くと、赤ちゃんが下りてくる準備が整ったことになります。
子宮口が10㎝開くまで、どのような時間経過を辿ると思いますか?
実は「子宮口が開くスピードがゆっくりの時間帯と、早くなる時間帯がある」のです!それについて次で解説します。

お産が進むスピードは一定ではないのです
「潜伏期」と「活動期」について
「潜伏期」・「活動期」は初めて聞くと「??」かもしれないですね。潜伏期・活動期は以下のように定義されています。
- 潜伏期:陣痛の始まりから子宮口が5㎝程度開くまで
- 活動期:子宮口5㎝から10㎝開くまで
下図を見ると、5㎝開いた頃から急に子宮口の開き方が早くなることがわかります。

つまり、子宮口が5㎝開くまではゆっくり進むことが多く、かかる時間は個人差も大きいです。
以下のようなこともあります。
- 陣痛だと思ったら前駆陣痛(※)だった
- しばらくの間、子宮の開大が変わらない
そして子宮口の開大が4~6㎝前後の産婦さんの平均陣痛間隔は3分程度と言われています。
つまり、最初は10分間隔だった陣痛が3分間隔くらいに縮まると、分娩の進行が加速していくことが多いということです。
※前駆陣痛:お産が始まる前に起こる、不規則で弱めの子宮収縮のこと。予定日が近づいてくると感じる方が増えてきますが、全員にあるわけではありません。
まとめ
以下のことがわかりましたね!
- 子宮口が5㎝程度開くまでは、個人差が大きく、ゆっくり進行する時期である
- 5㎝開いた頃には陣痛の間隔も短くなってきており、その後の進み方が早くなる
グラフは目安なので、実際にその通りに進まないこともあると思います。
個人的な感覚ですが、5~6cmくらい子宮口が開いてきて、陣痛間隔も順調に縮まってきている産婦さんは数時間程度で全開大まで進んでいる気がします。

陣痛に勢いが出てくる感じです
近々出産の予定がある方へのアドバイス。
- 陣痛の始まりはまだ余裕があるはずです。緊張しすぎず、消耗しすぎずに過ごしましょう
- 陣痛が3分くらいまで縮まってきて、子宮も5㎝位まで開いてきている場合、きっと辛いけど順調に進んでいくでしょう

おわりに
「お産は怖い」などネガティブなイメージもあるかもしれませんが、事前に知っておくことで心の準備をしておくことが大切です。
妊婦健診に通っている病院でマタニティクラスや両親学級といったものがあるかと思いますが、お産の流れを事前に知る良い機会です。
「分娩はこんな感じで進むんだ、じゃあこうやって過ごしたいな」と妊娠中に考えることができると良いですね!

参考文献
- ペリネイタルケア 2023年 7月号
- 病気が見える vol.10 産科 第4班

